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林田力wiki:金曜ドラマ『美男ですね』

TBS系の金曜ドラマ『美男ですね』(イケメンですね)が2011年7月15日から放送を開始した。『美男ですね』は見習いシスターの主人公が双子の兄に扮して人気バンドA.N.JELLの新メンバーになる韓国の人気ドラマの日本リメイク版である。

ドジな女性が男性になりきるドタバタ劇と、イケメンに囲まれる胸キュンなラブコメディが韓国のみならずアジア中で大人気となった。その要素は日本版でも健在であるが、日本版では主演が明るく元気な瀧本美織に相応しく、主人公の桜庭美子がイケメンメンバーを引っ張る展開も見せた。

瀧本美織の明るさはオリジナル版の美子に相当するコ・ミニョ(パク・シネ)の空回りするドジっ娘というイメージには合っている。一方で修道院生活を送る世間知らずの内気な女性というミニョのイメージを壊す危険もある。この点でドラマでは孤児院生活の回想を挟むことで、美子のキャラクターを説明付けた。瀧本も男性の裸を見て硬直してしまうなど純な女性を演じている。

海外の人気ドラマのリメイクは伝統的な手法であるが、『美男ですね』の難しいところはオリジナルの視聴者が多い点である。直近ではオリジナル版が5月にフジテレビ系列で放送されたばかりである。オリジナルと同じではリメイクの意味がなく、オリジナルを壊せばオリジナルのファンから叩かれる。日本版は基本設定を踏襲するが、細部には独自設定を加えている。

たとえば倖田來未が歓迎パーティーに招待された芸能人として本人役で登場する。A.N.JELLの事務所社長・安藤弘(高嶋政伸)は「You」などジャニー喜多川のような話し方になっている。これはA.N.JELLのメンバーが桂木廉(玉森裕太、Kis-My-Ft2)、藤城柊(藤ヶ谷太輔、Kis-My-Ft2)、本郷勇気(八乙女光、Hey! Say! JUMP)とジャニーズのアイドルであることからの茶目っ気である。

そしてA.N.JELLのマネージャー馬淵始(柳沢慎吾)は原作以上にテンションが高い。桜庭美子(瀧本美織)に兄・美男の代役を頼む展開は強引である。その後も美子をメンバーの中に残して自分は帰ってしまうなど身勝手であった。オリジナルではマネージャーとコ・ミニョが協力していたが、日本版は美子任せの要素が強い。

そのために美子が一人で悩む展開が多くなり、かえって主人公の存在感が際立った。幼少期の美子と美男の孤児院生活が繰り返し回想され、歌手になるという兄の夢を実現させたいという美子の兄妹愛が強調される。

初回放送の後半は日本版独自のストーリーで、児童養護施設向けコンサートを実現するために美子が奮闘する。A.N.JELLは圧倒的な人気を誇るバンドという設定であるが、日本版ではビッグになるには何か欠けている発展途上の存在と位置付けられている。新メンバー追加もオリジナルではボーカルの喉の負担軽減が理由であったが、日本版は単なる成長路線になっている。

さらに日本版のA.N.JELLは悪意にも曝されている。インターネットでは悪口が書き込まれ、児童養護施設の園長(石坂浩二)からは敵意をむき出しにされる。オリジナルのキム記者に相当するパパラッチ記者は日本版では三人組に増強された。そのような悪条件下でも美子は努力を放棄せず、メンバーや周囲の心を動かすことになる。

主演の瀧本美織はNHK連続テレビ小説『てっぱん』の主人公・村上あかりを演じて、明るく元気な女の子というイメージを確立させた。『てっぱん』の村上あかりの名前には幸せをもたらす明かりであって欲しいという母親の願いが込められている。児童養護施設のエピソードでは美子の奮闘がバンドのメンバーに良い影響を及ぼした。受け身なだけでなく、A.N.JELLを成長させる明かりにもなった瀧本演じる美子に注目である。(林田力)
http://hayariki.net/6/10.htm
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映画『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』

『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』の映画化は林田力の原作を尊重するところから作業を開始した。原作が映画の中で活きる方法を見出すところに興奮がある。問題は映画としてまわりくどくならないようにしながら、消費者契約法違反訴訟の複雑さを提示する点にある。

映画『東急不動産だまし売り裁判』は林田力の原作に忠実でなければならないだろうか。答えはノーである。原作を尊重することと原作に忠実であることは別次元の問題である。映画『東急不動産だまし売り裁判』は映画であって、映画化された書籍ではない。映画を作ることは林田力の原作を変えることにはならない。林田力の原作は存在し続ける。忠実さの追及は目的として無意味である。
http://hayariki.net/poli/piramid.html
書籍『東急不動産だまし売り裁判』は読者をマンションだまし売り被害者の内側に連れ込むことができる。マンションだまし売り被害者の思索や感情を伝えることもできる。それは映画『東急不動産だまし売り裁判』では仄めかす程度しかできないものである。映画『東急不動産だまし売り裁判』は映画の中では不可能な物事を映画的なもので置き換えている。
http://hayariki.net/hayariki4.htm#18

パーマ屋スミレ

プレミアムシアター 舞台『パーマ屋スミレ』 BSプレミアム
放映:5月7日(月)午前0:00~3:03(6日深夜)
 2008年、日韓合同公演『焼肉ドラゴン』で演劇界の話題をさらい、数多くの主要な演劇賞を受賞した鄭義信(チョンイシン)。在日コリアンの美容師と再婚した炭坑夫を中心に30年間にわたる炭鉱事故の訴訟を行い、生活を守ろうとする家族の必死な姿を描かれる。
 出演は、南果歩・松重豊・根岸季衣・久保酎吉ほか魅力ある俳優陣。日本現代史が笑いと涙にあふれる悲喜劇として描かれる。
【作・演出】鄭義信(チョンイシン)
【出演】南果歩・松重豊・根岸季衣・星野園美・青山達三・石橋徹郎・久保酎吉・森下能幸・森田甘路・酒向芳・朴勝哲(パクスンチョル)・長本批呂士
収録:2012年3月16日 新国立劇場小劇場
http://yaplog.jp/hayariki/archive/620

ゴルゴ13 164
http://news.livedoor.com/article/detail/6467147/
HUNTER×HUNTER 30
http://news.livedoor.com/article/detail/6474294/
ミラー衛星衝突 上 (創元SF文庫)
http://news.livedoor.com/article/detail/6480263/

オモニ 姜尚中と母親の戦後

BSプレミアムドラマ『オモニ 姜尚中と母親の戦後』
       日本が貧しかった時代をたくましく生きた姜尚中の家族の物語
 政治学者・姜尚中(カンサンヂュン)さんと母(オモニ)との物語をドキュメンタリードラマで描く。少女の頃日本に渡り、厳しい時代を生き抜いたオモニの遺したメッセージが切なく、心に響く。
 在日二世の姜尚中さんにとって、かけがえのない存在である亡き母(オモニ)。少女時代に日本に渡り、読み書きもできないながら、廃品回収の仕事をし、厳しい戦後を生き抜いた。晩年のオモニは、高名な政治学者となった息子のため、メッセージを録音していた。ひそかに伝えようとした、その思いとは? 母の生まれ故郷、韓国・鎮海を訪ね、母の面影を探す姜さんのドキュメンタリーとドラマとを交錯させながら、切ない物語をつづる。
http://yaplog.jp/hayariki/

『ハングリー!』ハングリー精神で大団円

フジテレビ系ドラマ『ハングリー!』が、2012年3月20日放送の「空腹が人を幸せにする! 俺の料理を食ってくれ」で最終回を迎えた。ドラマの序盤からの一貫性を保ったハングリー精神で大団円を迎えた。

麻生時男(稲垣吾郎)の甘い言葉に乗っかってハラペコキッチンを廃業した山手英介(向井理)らであったが、現実は甘くなかった。藤沢剛(川畑要)は先輩からのパワハラのストレスで酒浸りになった。住吉賢太(塚本高史)は同性の先輩からセクハラを受ける。実は麻生も一ヶ月ももたないと予想しており、仲間の切り捨ては織り込み済みという醜い資本の論理が提示される。

現実に二子玉川東地区再開発地域や東急大井町線高架下にあった自営業者は立ち退きによって苦境に陥っている。「立ち退かされたが、みんなで頑張って危機を乗り越えた」的なナイーブなハッピーエンドにしない点でリアリティがある。

焼け野原から経済大国にしてしまうような前に進むことしかできない愚かな日本社会では心機一転という言葉に前向きなイメージが強いが、それは社会の不合理に甘んじるだけの奴隷根性である(林田力「日本社会の非歴史性が問題だ」PJニュース2010年6月26日)。

英介は店を潰した敵である麻生の言葉に流されただけである。それでも一流シェフとなって自分の料理を世界に伝えることに価値を見出す考えも根強いが、その種の心機一転幻想を宝飾デザイナーの金沢亜矢子(矢田亜希子)が打ち破る。彼女の心機一転は会社を解散し、離婚し、レストランを立ち退かせて賃貸マンションを建設するという破壊と逃げでしかない。

英介は世界に通用する一流シェフになることよりも大切なことに気づく。地元の子ども達は「ハラペコキッチンがなくなって寂しい」「父さんの給料日にハラペコキッチン」に来ることが楽しみであったと語る。麻生の申し出を毅然として拒否する英介が決まっている。

「俺らを待ってくれている客がいる限り、ここでレストランをやりたい」

「日本で、あの倉庫で、あの店を続けたい。世界に味を届けるよりも、そばにいる腹が減っている奴らにうまいものを出す。(麻生のような)立派な三十歳になるより、俺にはそれが合っている」

怒った麻生に「あんな店を潰してやる」と言われるが、むしろ英介は「ハングリー精神をかき立てられる」と意気盛んである。ドレスコードのあるフランス料理店を出た途端に英介はネクタイを緩める。社蓄的文化の対極に位置するカジュアルなロックのテイストを体現している。

大楠千絵(瀧本美織)は「英介さんの料理はここだから美味しい。かしこまったら味が出ない」と本質を突いた指摘をする。これに対して、外から覗いていた麻生は「馬鹿だな。芸術は徹底的に完成されているから価値がある」と呟く。

ドラマでは大団円にするために最後は悪役も善人にしてしまうことがある。それは「終わり良ければすべて良し」的な浅はかさと幼稚な筋書きである。「le petit chou」の経営権を奪い、山手太朗(大杉漣)以外は真相を知らないが、ハラペコキッチンも潰した麻生が主人公の導き手となることは白々しい。麻生は悪いだけの人間ではないが、英介とは相いれない価値観の持ち主として、悪役ながらキャラクターに一貫性を持たせた。

『ハングリー!』は英介と橘まりあ(国仲涼子)と千絵の三角関係も魅力である。ドラマでは決着がつかないが、敗者が出ない点で後味がいい。序盤では、レストラン経営に懐疑的なまりあよりも英介の料理に感激する千絵を応援したくなる。しかし、まりあと英介の出会いのエピソードを知ってからは複雑になる。ラストは、まりあが年上女性として余裕を見せて温かい。(林田力)
http://www.hayariki.net/drama.htm#19


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