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『三毛猫ホームズの推理』死の仮面舞踏!!さらば三毛猫

『三毛猫ホームズの推理』第8話「死の仮面舞踏!!さらば三毛猫」と第9話「刑事失格!?三毛猫最後の教え」は大学を舞台とした薬物がらみの犯罪である。『三毛猫ホームズの犯罪学講座』を原作にするが、脱法ドラッグが社会問題となりつつある中でタイムリーなテーマである。

注目は「小さな約束しか生まれない信頼を踏みにじった」と警察官が犯人を騙して逮捕に持っていく展開への問題的である。現実の警察官は嘘をつきまくっている。警察官の説得というものは、嘘で甘い期待を持たせることと言っても過言ではない。取り調べに際しても「自白すれば早く出られる」と嘘をついて警察の作文した調書に同意させる。その種の嘘に対して警察の罪悪感は皆無である。むしろ、うまく騙せたと喜んでいる。

しかし、欺かれた人は傷つき怒るものである。皆が焼け野原から経済大国にしてしまうような、虐げられても前に進むことしかできない愚かな人間ばかりではない。警察を正義の側に描きがちな刑事物で『三毛猫ホームズの推理』は貴重な視点を提供する。(林田力)
http://www.hayariki.net/6/9.htm
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『三毛猫ホームズの推理』第7話、貧困ビジネス

テレビドラマ『三毛猫ホームズの推理』第7話「完全犯罪!?放火の真実を追え」は貧困ビジネスの問題に迫った。原作は『三毛猫ホームズの大改装』であるが、内容を大幅に変更し、現代の貧困問題を採り入れた。

ドラマでは「囲い屋」という貧困ビジネスが登場する。表向きは格安住宅の提供を称し、劣悪な建物に監禁する。生活保護費を詐取する。人が住めるような環境ではなく、人間を家畜化するものである。登場人物の台詞にあるように貧困ビジネスは尊い人の命を冒涜する。

悪徳業者の不正を追及するジャーナリストが悪徳業者から脅迫・攻撃される。これは林田力と共通する。東急不動産だまし売りやゼロゼロ物件業者の宅建業法違反などを追及していた林田力も東急不動産工作員やゼロゼロ物件業者から誹謗中傷された。

ビジネスモデル自体が十分に悪質な貧困ビジネスであるが、ドラマでは悪質な裏事情も暴く。建て替えしたい賃貸アパートのオーナーが追い出し屋を使い、他に住む場所のない住民を追い出す。住民が立ち退きに応じない場合は建物を放火する。住む場所を失った住民は貧困ビジネスの餌食になる。

現実にもゼロゼロ物件の追い出し屋や東急電鉄による大井町線高架下住民への追い出しが行われている。東急不動産だまし売り裁判でも地上げブローカーや宅建業法違反のゼロゼロ物件業者がマンションだまし売り被害者を攻撃した(林田力『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』ロゴス社)。『三毛猫ホームズの推理』は前クールの刑事ドラマ『相棒』や『ストロベリーナイト』と比べてコメディ色が強い。刑事が捜査情報を家族に話すなどあり得ない展開も多い。それでも時折見せる鋭い社会性には注目させられる。

『相棒』は派遣切りや偽装請負、名義貸しなどを描いたSeason9の「ボーダーライン」が「反貧困ネットワーク」の「貧困ジャーナリズム大賞2011」を受賞している。フィクションであるドラマにも真実を伝えるジャーナリズムの力があり、ドラマによる貧困ビジネス追及に今後も期待する。

貧困ビジネスに虐げられ、搾取された被害者が悪徳業者への復讐を考えることは十分に共感できる。悪徳業者は追い詰められても「助けてくれ」と命乞いはするものの、自分達の悪事への反省はない。この点は現実の悪徳不動産業者と重なる。宅建業法違反で業務停止処分を受けながら、ホームページで誤魔化したゼロゼロ物件業者もいる(林田力「都知事選出馬の渡辺美樹・ワタミ会長の経営の評価」PJニュース2011年2月21日)。
http://hayariki.net/6/9.htm
刑事ドラマでは、どのような理由であれ、犯罪は悪という結論にならざるを得ないが、貧困ビジネスの悪質さを踏まえるとフラストレーションが溜まる。今回は悪徳業者への一定の復讐がなされた後で止めに入る。その点で悪人の首謀者が救われて終った第6話「復讐の卒業写真…涙の女刑事」よりは救われる。

『三毛猫ホームズの推理』ゼロゼロ物件業者と重なる屑ぶり

テレビドラマ『三毛猫ホームズの推理』は赤川次郎『三毛猫ホームズ』シリーズを原作とする。片山義太郎(相葉雅紀)は警視庁捜査一課の刑事。自分は性格的に刑事に向いていないと嘆きながら、うだつの上がらない日々を過ごしていた。

第5話「回る殺人の怪!?初恋の義太郎」と第6話「復讐の卒業写真…涙の女刑事」は赤川次郎『三毛猫ホームズのフーガ』を原作とする。フーガにたとえられた犯罪の背後には高校時代の壮絶なイジメがあった。父親の汚職が告発された息子が告発した家の娘をいじめて自殺に追い込むという陰険なイジメである。

現実にも貧困ビジネスのゼロゼロ物件業者の宅建業法違反業者を告発したところ、ゼロゼロ物件業者の息子が前科者の工作員を使って告発者を誹謗中傷させた事例がある。イジメの首謀者がIT関連企業の経営者であった点もゼロゼロ物件業者の宅建業法違反事件の事例と重なる。ゼロゼロ物件業者の息子もIT企業を経営し、既存のフリーウェアと名称・機能・デザインが類似したソフトウェアを販売して抗議・批判された。

ドラマはイジメ加害者も現実のゼロゼロ物件業者も工作員も人間の屑である。人間ですらないのかもしれない。イジメ加害者には何らの反省も贖罪もなく、殺されることに同情できない。現実のゼロゼロ物件業者と同じである。復讐心もイジメの加害者が居酒屋で何の反省も後悔もない会話をしていた時に最高潮に達したのであろう。

イジメ加害者の中でも一番の屑が制裁されないままという結末は物語として不合理である。主人公の説得は優等生過ぎる。子どもが悲しむことを理由とするならば、汚職の告発を逆恨みする被告発者の論理と重なってしまう。自分の親父の違法行為を理解すべきである。イジメ加害者が法の裁きを受け、また、過去の悪事が知れ渡って社会的制裁を受けなければ救われない。そのような描写がドラマであれば納得感が高まった筈である。
http://hayariki.jakou.com/6/9.htm

『美男ですね』第3話

TBS系の金曜ドラマ『美男ですね』の第3話「切なすぎるキス…」が7月29日に放送された。韓国の人気ドラマのリメイク版であるが、今回は韓国版のユ・ヘイ(ユイ)に相当するNANA役の小嶋陽菜(AKB48)が弱さを持った性悪アイドルを演じ、複雑になる恋愛模様を盛り上げる存在となった。

NANAは「みんなの妖精」と呼ばれる大人気アイドルであるが、本性は性悪で傲慢という裏表のあるキャラである。自分になびかない桂木廉(玉森裕太、Kis-My-Ft2)に反発しながらも興味を抱き、本気で惹かれていく。恋敵の桜庭美男(瀧本美織)を執拗に敵視し、A.N.JELLをひっかき回す存在である。

韓国版のヘイは憎たらしいほどのふてぶてしさを有していた。ヘイを演じたユイは『美男ですね』によって日本でも知名度が上がったが、強烈なヘイの印象が本人のイメージに投影されてしまうほどであった。そのヘイに相当する役が小嶋陽菜にキャスティングされたことは韓国版のファンには意外感がある。

小嶋は2008年放送のドラマ『ヤスコとケンジ』で意地悪な女子高生を演じた経験があるが、それでも、ノースリーブスの「マイペース担当」で、おっとりした小嶋がヘイの持つキツさを演じることはイメージしにくい。実際、小嶋はNANAとして裏表のある小悪魔ぶりを見事に演じているが、裏の性格の悪さも一種の強がりに見えてしまう。

日本版ではNANAの専属ヘアメイクのトオル(楽しんご)がオリジナル・キャラで登場する。トオルはNANAの本性を知っている人物で、NANAからワガママをぶつけられる存在である。NANAとトオルの関係によってNANAの本性が分かりやすく演出されるが、相手がナヨナヨした楽しんごであるため、女王様キャラも本性というよりも相手に合わせた演技に映る。

特に今回はNANAの弱さが際立った。NANAは嘘をついて桂木廉を呼び出したものの、怒った廉に履いていた靴を投げられる。さらに偶然ボールをぶつけられ、芸能人と知った一般人に囲まれるという災難に見舞われる。韓国版と同じ流れであるが、小嶋の演じるNANAでは悲惨さが強調される。

その性悪ぶりから見落とされがちであるが、ヘイは実は可哀想な存在である。ファン・テギョン(日本版では廉)への想いが報いられことはなく、優しい態度をかけられることもなかった。韓国版では芯の強いヘイは悪役に固定され、本気の恋愛対象からは外れた。しかし、弱さを持ったNANAは感情移入の対象になる。主人公の恋のライバルとして韓国版以上に存在感を発揮しそうな小嶋に注目である。(林田力)
http://hayariki.zero-yen.com/6/10.htm

『美男ですね』第2話v 林田力 記者wikiレビュー

TBS系の金曜ドラマ『美男ですね』の第2話「恋の初ライブ!!」が7月22日に放送された。『美男ですね』は人気韓国ドラマのリメイク版で、オリジナル版ではファン・テギョンを演じたチャン・グンソクを一躍アジアの大スターに押し上げた。そのグンソクの役に相当する桂木廉役の玉森裕太(Kis-My-Ft2)は、グンソクのカリスマとは別次元の日本的アイドルとして独自性を発揮した。
『美男ですね』は見習いシスターの桜庭美子(瀧本美織)が双子の兄・美男に代わってイケメン・バンドA.N.JELLの新メンバーになるラブコメディーである。主要登場人物であるA.N.JELLのメンバーが韓国オリジナル版の雰囲気を出していることも話題である。
カン・シヌに相当する藤城柊(藤ヶ谷太輔、Kis-My-Ft2)は優しいが、損な役回りの男性である。いち早く美男が女性であることに気付き、美男に惹かれるものの、想いを伝えられない。ジェルミに相当する本郷勇気(八乙女光、Hey! Say! JUMP)は元気なムードメーカーである。美男が女性であることに気付かない勇気は、美男に妙な感覚を覚える自分に動揺する。
難問はテギョンに相当する桂木廉(玉森裕太)である。テギョンには潔癖症で気難しく高慢という性格的な難があるが、それを含めてテギョンにはスターというカリスマがあり、圧倒的なオーラを放っていた。グンソクと同等の存在感を他の俳優に求めることは酷である。
これに対して桂木廉は子どもっぽさを付加することで日本版の独自性を出した。美子(オリジナル版ではコ・ミニョ)のドジに廉(テギョン)が巻き込まれてしまう点はオリジナル版も日本版も同じである。テギョンはミニョを「事故多発地帯」と酷評しながらも、それを心の底では楽しむような余裕があった。それ故にミニョに惹かれる展開が自然につながる。
これに対して廉は美子のドジに「絶対に許さない」「絶対に認めない」と本気で激怒する。これは美子に悪気がないことを知っている視聴者からは、廉の潔癖症と相まって器の小さい人物と受け止められる危険がある。
より重要な点は、どれほど廉が怒り狂ったとしても、美子を許し、認める展開が控えていることである。「絶対に許さない」発言は偽りになり、廉は言葉が軽い人物になる。ミニョを酷評しつつも、全否定まではしなかったテギョンがカリスマとして一貫性を保ったのに対し、廉はスターとしては安っぽくなってしまう。
一方で第一印象が最悪というカップルは恋愛ドラマの王道的な展開である。本気で「許さない」とまで言った相手に惹かれる展開こそドラマになるとの見方もある。「許さない」発言も発言時の心情としては真実であり、その時その時の心情に正直な人物として好意的に評価する向きもあるかもしれない。過去を水に流す日本人と過去との一貫性を重視する韓国人の民族性の差が廉(テギョン)の描き方にも表れた。
完成された大スターのテギョンに対して、廉は事務所社長の安藤弘(高嶋政伸)に「ビッグになるには何か欠けている」と評される発展途上の存在である。それ故に美子を演じる瀧本美織が『てっぱん』のように明るく引っ張っていくという要素も生まれるが、ここにも日韓のアイドル事情が反映する。
韓国アイドルはデビューまでに事務所がレッスンを積ませ、デビュー時の完成度が高い。それが日本でもK-POPを席巻させる要因となった。これに対して日本ではファンがデビュー時からアイドルの成長を応援する傾向が強い。日本化された『美男ですね』が描くアイドル像に注目である。(林田力)
http://hayariki.net/pj3.html


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